「アドバンテージ!」
ラグビーの試合中にレフェリーが突然宣言することがあります。
アドバンテージが適用されているときは試合が継続されるので、レフェリーの発言や仕草をよく見ていないと見逃してしまう方もいることと思います。
しかし、何気ないルールでありながらも実はアドバンテージは奥が深く、好プレーが生まれるチャンスでもあります。
そこで今回はラグビーのアドバンテージについて解説します。
ラグビーのアドバンテージとは?
アドバンテージの規則は、他の大部分の規則に優先し、その目的は、反則による競技停止を少なくしプレーの継続を一層計ることにある。プレーヤーは相手に反則があっても、レフリーの笛に従ってプレーすることが求められる。レフリーは、競技中に反則があっても、その結果相手側が利益(アドバンテージ)を得る可能性のある場合には、その反則に対して直ちには笛を吹かない。
※出典元:JRFU 『競技規則 2006-2007』第8条 アドバンテージ ADVANTAGEより
JRFU(日本ラグビーフットボール協会)のHPではアドバンテージについて、上記のように説明されています。
要約すると「反則を受けたチームが有利の場合には、直ちにレフェリーが笛を吹かない。」ということです。
例えば、相手がノックオンしたボールを自チームがすぐに拾い上げたケースです。
その場合、アドバンテージが適用されることがあり、すぐに笛が吹かれないのでそのままの流れで攻守が変わることになります。
通常であればノックオンでスクラムとなり攻守が変わる場面ですが、アドバンテージがあることによって、ビッグゲインが生まれるチャンスになり得ます。
アドバンテージの宣言時には、レフェリーが反則を受けたチームに向けて、5秒間腕を地面と水平に伸ばすジェスチャーをします。
アドバンテージの目的と条件
アドバンテージが適用されているときは、ミスをしてしまったとしても反則が起きた地点からマイボール(反則を受けた側)で試合再開することができるので、ミスを恐れない思い切った攻撃が出来るようになります。
キックパスやドロップゴールなど、トリッキーなプレーが見られることがあるのでアドバンテージ中の攻撃は観戦していても注目ポイントのひとつです。
またノックオンやスローフォワードのボールをカットして、そのままビッグゲインとなるケース出てきます。
アドバンテージが適用されることで、試合展開がスピーディーになり、ボールが頻繁に動き続けるので観戦時に目が離せなくなるという利点もあります。
アドバンテージの時間-いつからいつまで?
アドバンテージには明確な時間が決められておらず、レフェリーの裁量に委ねられています。
アドバンテージが適用される時間は、軽い反則(ノックオン、スローフォワード)であれば短くなり、重い反則(オフサイド、モールへのコラプシング)の場合は長くなるなどの基準があります。
時間というよりも、ゲイン出来たか否かという点がアドバンテージでは重要です。
しかし、アドバンテージを受けたチームがいつまでも有利に進められるわけではなく、アドバンテージが解消される条件もあります。
アドバンテージが解消されるアドバンテージオーバーについて
アドバンテージの解消されるポイントとして重要なのは「利益を得られたか」という点です。
アドバンテージ中に大きくゲインできた場合などには、利益を得られたと判断されてアドバンテージが解消されます。
他にはアドバンテージ中にマイボールのチームが、ノックオンやスローフォワードなどの反則をしても、アドバンテージが解消され宣言を受けたチームのマイボールスクラムとなります。
アドバンテージが解消されるときには、レフェリーが
「アドバンテージオーバー」
と宣言するので、アドバンテージが解消されたことが観戦していてもわかります。
基本的にアドバンテージオーバー時にはコールのみとなり、ジェスチャーはありません。
アドバンテージが適用されない状況
アドバンテージが適用されない状況として、以下のようなものがあります。
・レフェリーにボール、またはボールキャリアーが触れた場合。
・ボールデッドになったとき。
・スクラムが90度以上回転したとき。
・ボールがプレーされないまま、スクラムの中から出たとき。
・スクラムで宙に浮いたプレーヤーがいる場合。
上記のようなプレーが起きた場合はアドバンテージが適用されずに、すぐに笛が吹かれることになります。
ラグビーのアドバンテージまとめ
今回はラグビーのアドバンテージについて解説しました。
アドバンテージはシチュエーションによって適用される長さが変わってくる少々難解なプレーです。
しかし、トリッキーなプレーが見られるチャンスでもあり、アドバンテージ中のプレーに注視するとこれまでよりラグビー観戦が楽しめることでしょう。
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