ラグビーの代表戦で聞く機会が多いのが「キャップ」です。
キャップ(cap)を直訳すると帽子となりますが、ラグビーのキャップの意味とは少々異なります。
今回はラグビーのキャップについて解説します。
ラグビーのキャップとは「代表出場試合回数」
ラグビーのキャップ数とは、代表出場試合回数のことです。
数字が大きいほど代表出場試合回数が多いということになり、それだけ経験豊富で試合慣れしているという一つの指標になります。
さらに、個人としても多くのキャップを獲得しているということは多くの栄誉
が与えられているということにもなり
キャップ数=勲章の数
とも捉えることができるでしょう。
さらに、経験値としても捉えられるキャップ数は、代表選出の際にもキャップ数の多さが考慮されることもあるので、選手だけでなくヘッドコーチにとっても重要な数値となります。
キャップと呼ばれる起源はラグビー発祥の地英国
キャップの起源はラグビーやサッカーの母国でもある、英国イングランドから来ています。
現代ラグビーのようにユニフォームの着用が義務付けられていない時代のイングランドでは、敵と味方の区別を付けるためにそれぞれ異なる帽子を着用していました。
異なる帽子の着用がきっかけとなり、代表選出の回数にキャップが使用され始めました
。
また、現在では代表に選出された際にキャップの授与式が設けられ、実物のキャップを贈呈されます。
キャップは初回のみの贈呈で、以降は5キャップを重ねるごとに星のワッペンが贈呈となります。
キャップの授与が積み重なり、50試合や100試合と節目のタイミングでは特別なキャップが授与されることもあります。
ラグビー日本代表選手のキャップ数
2019年W杯ラグビー日本代表では、ヘッドコーチのエディ・ジョーンズがキャップの数を意識したチーム編成を行い、キャップ数は683capという結果でした。
2015年W杯では1004capでしたので、単純に比較するとかなり少ない印象を受けますが、これに世界トップクラスのリーグである、スーパーラグビーのキャップ数を加えると19年W杯日本代表は1347となり、15年W杯日本代表を上回る結果となっています。
世界最多キャップ数の選手はだれ?
世界最多キャップ数は、ニュージーランドのオールブラックスで活躍したリッチー・マコウ選手の148capです。
マコウ選手はワールドラグビー年間最優秀選手賞3回も受賞しており、キャップ数のみならず世界トップクラスの選手でした。
一方ラグビー日本代表の最多キャップは、東芝や日本代表で活躍した大野均選手の98capです。
大野選手は日本大学工学部進学後にラグビーを始めたという遅咲きの選手でしたが、2004年に日本代表に初選出されると、2007年から3大会連続でW杯に出場しました。
そこから42歳で引退するまでに98capを数えました。
やはり、キャップ数が多い選手というのはそれだけコンデションを維持して、ポジション争いも制してきた選手なだけあって、キャップ数が多い選手は名選手ばかりです。
キャップ数を獲得するのは簡単ではない
キャップ数は代表出場試合回数なので、単純に代表出場試合が多ければキャップ数が簡単に増やせると思われるかもしれません。
しかし、キャップ数を付与されるテストマッチなどは年間の試合数が大まかに決められています。
【ラグビーチャンピオンシップ過入国の場合】(南半球4ヶ国)
・ラグビーチャンピオンシップ(4ヶ国対抗リーグ戦) 全6試合
※W杯開催年は全3試合
・7月のウインドウ(テストマッチ月間) 3〜4試合
・11月のウインドウ(テストマッチ月間) 3〜4試合
【シックスネーションズ過入国の場合】(北半球6ヶ国)
・シックスネーションズ(6ヶ国対抗リーグ戦) 全5試合
・7月のウインドウ 3〜4試合
・11月のウインドウ(テストマッチ月間) 3〜4試合
上記のように年によって多少の差異はありますが、年間で多くても14試合前後です。
そのため、例えばマコウ選手の148capに到達するためには15年程度代表に選出され続けなければなりません。
さらに、同ポジションのライバルとのポジション争いや、怪我などとの戦いなど、様々な困難を乗り越えて初めてキャップを獲得することができます。
ラグビーキャップ数のまとめ
ラグビーのキャップ数は戦力を可視化した値としても捉えることができます。
キャップ数が多いチームはそれだけ戦術理解度も優れているといえますし、経験値が豊富だと判断することも可能です。
また、多くのキャップ数を獲得しているということは、それだけその選手が努力を積み重ね続けてきた結果とも言えるでしょう。
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